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旧街道歩き閑話 8. 旧道歩きと老舗菓子屋のはなし [旧街道を歩く]

旧街道歩き閑話 8. 旧道歩きと老舗菓子屋のはなし
旧街道歩き閑話 老舗和菓子屋.jpg
画 金森 達

旧街道を歩いていて、街道沿いにいかにも老舗の建築物らしい和菓子屋に出会うとつい立ち寄ってしまう。歩き疲れてそろそろお茶で休憩ということもあるが、古い歴史に関われる、ひょっとすると数百年前と同じ味を楽しめるかも知れないというところが魅力だ。

奥の細道を歩きで松島を歩いたとき、瑞巌寺のそば円通院の山門向かいに「松島こうれん本舗 紅蓮屋心月庵」がある。創業がなんと嘉暦2年(1327年)というから685年前である。米を粉にして煎餅にしたもので日本三景の名物として知られている。

東海道五十三次歩きで、小田原宿に入り「小田原ういろう」に出会ったときは驚いた。旧道沿いで白いお城と思われる店舗を構えていた。昔は薬として売られていた「透頂香(とうちんこう)」こと「ういろう」で、薬の「透頂香」は「仁丹」のような銀色の極小粒の丸薬で箱の表には「外郎藤右衛門」と書かれ代々名乗って今は二十五代目。万病に効くといわれ今でも販売されている。菓子の「ういろう」は、二代目が朝廷で外国信徒の接待役を勤めていたときに自ら作ったお菓子が始まりという。黒砂糖・米粉・小豆・澱粉を原料として、昔は黒のみだったが今は白・茶・小豆・黒の4種ある。「ういろう」を経営する外朗家の始祖は中国から来た歴史ある公家の家柄であった陳延祐で、正平23年(1368年)に日本に来た。筑前博多から京都を経由して五代目の定治が小田原に移住し小田原落城後秀吉庇護の下、小田原で販売を続けた。明治18年(1885年)建築の蔵を利用した博物館には、お菓子と薬の起源、商家ゆかりの資料などが展示されている。

私の東海道五十三次歩きで、2000年4月5日に、興津宿から丸子宿を歩いたとき、安倍川を渡る手前に店を構える「安倍川餅の石部屋」に立ち寄り安倍川餅をいただいた。安倍川奥の金山に由来し、餅に豆の粉を塗した黄粉餅(きんこもち)である。家康に献上したところ非常に褒められこの餅を「安倍川餅」と命名されたという。創業は400ほど前の慶長年間といわれる。
2000年12月24日に袋井宿を通過した。JR袋井駅前に老舗菓子屋「五太夫きくや」があった。天正12年(1584年)創業でかつては宿場町の中心地だった森町、江戸から61番目の木原一里塚の西側にあった。十四代当主の鈴木利夫氏は過去の歴史を調べたが、いつ頃から菓子屋を始めたはまだ不明という。昔ながらの食材・製法で「梅花餅」、今の代表格の菓子は静岡名産・お茶とともにあるお菓子を念頭に作ったという「北の丸」「村一つ」。

観光バスで木曽路を巡ったとき、中津川市内である婦人団体客から「有名なすやの栗きんとんを買いたいから、立ち寄ってほしい」といわれ、観光バスで立ち寄ったことがある。そのときにはまさか自分が日本橋から歩き繋いでこの地に来るとは予想できなかった。その後、旧中山道六十九次歩きをした2002年12月に馬籠から大井までを歩いた途中、中津川宿にたどり着いた。膝栗毛の弥次さん喜多さんも中山道中に出てくる時代にすやの旧名「十八屋」として登場している。母屋は太い梁や大黒柱、囲炉裏が残され当時の雰囲気をかもし出している。お茶請けに江戸時代からの同じ味を守っているという「木曽路」「ふるさと」を1個ずつ味わってみた。中津川でも一二を争う旧家だった「十八屋」は、元禄年間(1688~1703年)創業で江戸から下ってきた武士初代赤井九蔵がこの宿場町に住みつき「十八屋」の屋号で酢の店を開き、後に菓子屋営業となった。

老舗菓子屋は京都が圧倒的に多い。有名なところで塩瀬総本家が1347年創業、水田玉雲堂が1477年、とらやが1526年、萬年堂が1617年、本家西尾八ツ橋、聖護院八ツ橋本店が1689年創業。他では赤福が1707年、小夜の中山名物子育飴が1751年。それぞれの店の歴史に興味が尽きない。弥次さん喜多さんが、吉宗公が、参勤交代の殿様が、西郷隆盛がこの縁台で食べていたかもしれないと思うと愉快ではないか。老舗が何百年と生き残るには、並大抵のことではあるまい。愛知県で創業が安政2年(1855年)の老舗和菓子店「まつ月」の「眠り柿 ずくし」誕生の記事を読んだ。樹齢200年以上の木に実る渋柿を3年天日で干し、その後2年暗冷所で寝かせる。天日に干すときは毎朝外に出し、夕方取り込む。熟成された甘みを出すために気の遠くなるような忍耐と情熱がなくてはなしえない柿羊羹である。1本1,365円に凝縮されたこれらの価値をかみ締めながら賞味したいものである。

エッセイ「温泉夜話」 http://www.a-spa.co.jp/yawa/index.htm

温泉巡浴紀行http://www.a-spa.co.jp/junyoku/index.html

旧街道をあるく旅 http://aaspa.web.fc2.com/index-tabi.html


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