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旧街道歩き閑話 お遍路の「お接待」について [旧街道を歩く]

旧街道歩き閑話 お遍路の「お接待」について
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 私の徳島県内の第20番札所までを歩いた時の経験だけだが、お接待の数々にそのたびに感謝の気持ちを素直に感じられた。無人の台に置かれたぽんかん、寺前の店でうどんを食べたときお芋の差し入れ、無人接待休憩所でのお茶や蜜柑、近くの温泉入浴に行くのに車を借りたことなど。遍路路の所々にある「ヘンロ小屋」を見ることもできた。テントや寝袋持参で歩く遍路さんのための施設である。

 お接待は昔は「接待者自身が宗教的願望を達成しょうとする信仰の影響が強く働いた」という。明治時代まで善根宿をしていたある農家は、三度目の巡礼者に限って無料で泊めたという。明治になってかなり裕福になったため「人助けをしたから観音様が褒美を与えた」と近所の人が言うほどだった。遍路に対する接待の動機として①苦行する遍路人への同情心 ②善根を積むことで功徳を得たいという大師信仰 ③祖先の供養のため ④事情があって本人がいけないので、身代わり巡礼を頼む気持ち ⑤自分が受けた接待に対する返礼をあげている。(前田卓(たかし)著「巡礼の社会学」ミネルヴァ書房1971年刊)
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 今は歩いて巡らなければならない時代、遍路路を支える人たちが巡礼者の苦労をまじかに見ているので、歩き遍路の巡礼者には何かできることで支えたいとの自然な気持ちなのだろう。勿論、御大師様への篤い信仰が地元の人たちにあり、お互い様との気持でもあっただろう。

 2001年刊辰濃和男著「四国遍路」では、柳水庵(今は宿泊営業していない)に泊まった時にお茶、蜜柑の接待を受け、「かつてここに泊まられた横浜の方が送ってくれた鈴の付いた貝、テッシュ、粉石けんが入った信玄袋」をいただいた。餅を売る店で焼芋の接待を、結願を果たした夫を迎えにきた奥さんから、「失礼ですが、お接待をさせてください。主人もきっと皆さんのお接待をいただきながら歩いたことでしょうから」と千円をいただいた。農家の人が滋養飲料を、道を聞いたら、「お茶を飲んで行きなさい」、道端で50円、100円、1円で152円、蜜柑、ぽんかん、米、お餅、ゆで卵をいただいた。等々の記録がある。
ある体験者の記録で「81番札所から山道を2時間近く歩き続けたところに、遍路用の素晴らしい休憩所を発見。遍路用に解放されている休憩所で、近くのハーブ園で管理されているそう。寝床・電源・トイレ・水道付きで、さらに「接待」としてハーブティーや近くの小学校の子どもたちが買って集めたというお菓子が置いてあり、至れり尽くせりですね。また休日は子どもたちが直接お接待をしてくれるみたいです。室内にはお灸やお遍路さんが喜びそう、という便利なグッズがたくさん置いてありました。」

 人間思わぬ優しいお世話を受けると、素直に感謝し「今度困った人や苦しむ人がいれば、私が何か役に立つことをしてあげたい」と思うものだ。このような気持ちが素の本来の人間としての気持ち、発露だろうと思う。
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参考文献
辰濃和男著「四国遍路」岩波新書 2001年
石川文洋著「四国八十八ヵ所―私の遍路路」岩波新書208年
前田卓(たかし)著「巡礼の社会学」ミネルヴァ書房1971年

☆四国歩き遍路 第1番・霊山寺~第6番・安楽寺http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2017-03-25
☆北国街道を歩く 軽井沢追分宿からの挑戦!http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2016-08-12
☆旅と温泉の情報室 http://www.a-spa.co.jp/
☆旧街道を歩く旅 http://www.a-spa.co.jp/tabi/nikko/index.html
★スペイン聖地サンティゴ巡礼を歩く 初日サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから
 http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19
☆海外温泉入浴珍道中 http://www.a-spa.co.jp/junyoku/matsuno.htm
☆旅と温泉の思い出ショップ http://aaspa.web.fc2.com/shop/
☆おんせん県おおいたで、生活費1ヶ月6~7万円で過ごせるか挑戦中!第2弾
 http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01

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コメント 2

旅爺さん

お遍路と途中で皆さんの温かい心遣いは疲れた体を癒やしてくれる嬉しい接待ですね。
by 旅爺さん (2017-05-18 07:14) 

れもん

お接待と言う言葉に最初戸惑いがありました。しかし四国に来てみてその優しさを感謝の気持ちと共にうけることが素直なことなのだと思うようになりました。
by れもん (2017-05-18 21:21) 

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