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スペイン「聖地サンティアゴ巡礼」の旅に向けて 6. 巡礼体験談を読む [旧街道を歩く]

スペイン「聖地サンティアゴ巡礼」の旅に向けて 6. 巡礼体験談を読む

 スペイン「聖地サンティアゴ巡礼」の旅を計画するに当たり、いくつかの体験談を読んでいる。ドイツ人のハーペイ・カーケリング著「巡礼コメディ旅日記」は、傑作だ。ハーペイ・カーケリングは、ドイツのお笑い芸人で、20歳からテレビ界で活躍し、2001年37歳の夏、病気などをきっかけに自分の人生を見つめなおそうとスペイン「聖地サンティアゴ巡礼」の旅を一人で歩きとおそうとした旅日記である。ドイツでは300万部のベストセラーとなり、2007年ITB(国際旅行見本市)ブック・ワールド最優秀紀行文学賞を受賞した。
とにかく面白い!彼はスペイン・イタリア・フランス・英・オランダ語が堪能で、旅先での各国の巡礼者との交流に言葉の垣根がなく、時には自然に現地スペインの同郷人と間違われたり、追いつ抜かれる巡礼者達との交流や心理的な駆け引きも日記から伝わってくる。従来の巡礼体験談のイメージをぶち壊すインパクトの強い紀行文である。
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著者のハーペイ・カーケリング氏

2001年6月9日、サン・ジャン・ピア・ドゥ・ポールを出発。2日目、ピレネー山脈越えへ、標高1,300mのロンセスバリュス峠への途中、3時間歩いて濃霧と雨の中で何度か車に乗せてもらう。最初から歩き通すという気がない。
400kmまで来たところで、カナダ・バンクーバーから来たというララと出会う。同じサン・ジャンからスタートした子だ。「私たちどのくらい歩いたのかしら?」と真顔で訊いてきた。「今日がハーフタイムだ、ちょうど半分歩き終えたところだ。知らなかったの?」ララがふいに立ち止まり、歓声を上げ涙を流し僕の首に抱きついてきた。」「ララは地図もガイドブックも持ってきていなかった。いつどこに着くかも、毎日どれだけの距離数を後にしたかもろくに知ろうとせず、ただひたすら歩いていたのだ。僕なんかよりこの人の方がうんとえらい」「ねえ、知ってる?最後まで歩きとおす巡礼って、15%だけなんだって。・・・これって、心から照らす道なんだ、よ、ね?」

彼は時々バス、ヒッチハイクなど車で移動し、巡礼仲間からは非難されたりしているが、巡礼証明書の条件である最後の100km手前からはきちんと歩き、巡礼証明書をもらうつもりだ。終盤に彼の日記はこうつぶやく。「カミーノにいると僕は自分が学校にいるような気分になってくる。あれこれいろんなことを、遊びながら楽しんで学んでいるのだ。・・・・道を往きながら、僕は何度も自問した。苦しむとはどういうことなのか。結局のところ、苦しむことは『わかってない』ことなのではないか。だから、わかってないんだったら、信用するしかない。ということは、自分を苦しめているのは自分の心の持ち方だということにもなる」
7月20日、41日目で最終地サンディアゴ・デ・コンポラテスに到着する。彼は結局、最終地点から手前150kmを連続して歩いた。
「この道はつらくかつ素晴らしい。それは挑発であり誘惑だ。おまえをへたばらせ、空っぽにしてしまう。残らず、そして、再建してくれる。根本から。おまえからすべての力を奪い取り、それを三倍にもして返してよこす。おまえはその道を独りで行かなくてはならない。でないと、道はその秘密を明かしてはくれない」

彼は日に40kmを歩いたりした。平均1時間に5~6kmを歩いているのではないか。しかも運がよくなくては41日も歩き続けられない。健康な人でも病気や怪我であきらめる人も大勢いるだろう。巡礼の旅に向けて体力を強める日々の努力を痛感しながら、1月2日この素晴らしい著作を読み終えた。

旧街道をあるく旅 http://aaspa.web.fc2.com/index-tabi.html


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song4u

今年の挑戦にも期待しております。
さて、どんな挑戦になるのでしょうか?^^
by song4u (2013-01-03 14:02) 

yayu-chang

新年明けましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になりました。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
本年もよろしくご厚情のほどお願い申し上げます。
by yayu-chang (2013-01-03 19:13) 

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