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奥の細道を歩く 第45回 高岡~倶利伽羅峠~金沢・東山 2009年8月1~3日 [奥の細道を歩く]

第45回奥の細道を歩く 高岡~倶利伽羅峠~金沢・東山 2009年8月1~3日
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倶利伽羅峠の木曽義仲「火牛の計」

 ハイウェイバスの発着地の夜の池袋。夏の宵は彩り豊かな浴衣姿の女性が目を引く。「浴衣着や 恥じらいの笑み こぼるるる」「浴衣着の 夜に漂う 冷気かな」「酔うほどに 媚びる肢体や 夏祭り」「碁盤石 斜線を引き行く ゴキブリや」

 8月01日、午前5時40分、高岡駅近くに到着。洗面を終えて、小雨の中を前回の到着地に戻る。しばらく行くと北陸本線の高架に出、そこを右折する。夏休み中の小学生が準備体操の会場へ急ぐ姿。上下の雨合羽は汗でぐっしょりなので、思い切って上はランニングに雨合羽、下は脱いでしまった。三枚橋を越して国道8号線に合流。8時50分、福岡の先でようやく雨が上がり、右手のなだらかな丘陵地に三基の風車が見えてきた。小矢部川にかかる石動橋を渡ると左手に福町神明社、続いて村社能堅神社。石動(いするぎ)駅で倶利伽羅峠への道の詳しい地図を手に入れる。駅隣接の蕎麦屋で昼食(てんぷら蕎麦・380円)を済ませる。この先に食事場所が無いという。倶利伽羅峠は平安末期の1183年、源氏と平家が歴史的な合戦をした場所で、木曽義仲が「火牛の計」の作戦で有名である。まず木曽義仲が戦勝祈願をし、芭蕉も訪れた埴生護国八幡宮に詣でる。木曽義仲はここに陣を置いた。さあ、いよいよ倶利伽羅峠へ向かう。
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埴生護国八幡宮(写真は、パンフレットから)

 医王院から右折して道なりに行くが、心配で草刈をしているおじさんに声をかける。訛りがひどく話の半分もわからない。持つ鎌を振り回しての道案内につい体を背けてしまう。石坂からは旧道を整備して残されている道を歩くのだが、草ぼうぼうでこの先大丈夫かなと不安も感じる。旧道へ入ると倶利伽羅公園までもう誰とも会わなかった。12時13分、峠の茶屋跡に到着。雨が降りしきる。雨が上がると「ケキョ ケキョ ホーホケキョ 」と鶯と蝉時雨の大合唱。昔は加賀藩の参勤交代時の往来道で栄え、茶屋が7つもあったという。砂糖の餅が名物と文政11年(1828年)、十返舎一九の書に紹介している。

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旧北陸街道の山道

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茶屋跡

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昭和12年の茶屋の写真

12時30分、砂坂の大池への分岐に到着。「この地より火牛突入」とある。4~500頭の牛の角に二本の松明をくくり付けて怒涛のごとく闇の中を疾走する姿はどんなだろうと想像をめぐらす。「紫陽花や しとど小雨に 火牛駆る」「蝉時雨 われも居るぞと 鴬も鳴き」「ほととぎす 雨後の倶利伽羅 鳴きにけり」
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砂坂の埴生大池への分岐

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「この地より火牛突入」

峠道の途中には、「熊出没注意!」の看板が出ているが・・・・注意のしょうがないと思いながら倶利伽羅公園に到着。
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熊出没注意!

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スズメバチに注意!(どう注意すればいいのだ?)

なだらかな一角で、中央に平家が本陣を張り、軍議に使われた横4メートル×縦2メートル×厚さ40センチ大きな平らな岩に強い雨がたたきつける。平家の総大将平維盛らがどのような面持ちで軍議を進めていたのか。「倶利伽羅や 軍議の大岩 夏の雨」
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平家が軍議を開いたという大岩

公園には「義仲の 寝覚めの山か 月かなし」の芭蕉塚、擬見風所造碑 金城馬佛建立 とある。河合見風が宝暦時代に、ここ猿ヶ馬場の建立したもので、風雨に晒され苔むし、ようやく読める程度だ。ここから倶利伽羅不動寺にわたって約7,000本の八重桜があり、桜の名所になっている。
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火牛の計の像

芭蕉の「わせの香や 分け入る右は 有磯海」は、ここから能登の海を臨んで詠んだ句だという。
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ここから能登の海を臨んで詠んだ句「わせの香や 分け入る右は 有磯海」

下ってしばらくすると、養老2年(718年)建立とされる倶利伽羅不動寺がある。日本三大不動と知られる。
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倶利伽羅不動寺

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下りの旧道

古道は下りも続き、相変わらず「熊出没注意!」の看板が目立つ。14時45分、ようやく集落地・津幡町竹橋に出た。村田酒店に立ち寄り、地酒の冷酒「能登路」を求める。女将さんはママさんバレーの練習で留守。普段は勤めに出ていて今日はお店の留守番役のご主人としばし雑談を楽しむ。津幡町経営の「道の駅 倶利伽羅源平の郷 倶利伽羅塾」まではすぐ10分ほどのところ。

倶利伽羅熟の玄関を入ると、津幡町の農産物や加工品、コンビ二商品で売店はいっぱい。お部屋は2階の和室「松」で、10畳トイレ・洗面所・金庫付き。お風呂は1階の「源平の湯」で人工的にナトリウム・炭酸水素塩化物泉の入浴剤を入れている。夕食は18時30分に1階「源平茶屋」で食べる。夕食膳は、煮物、天ぷらの盛り合わせ、ずんだ豆とししゃもの卵和え、ハマチ・サーモン・甘えびのお造り、茶碗蒸し、香の物、ご飯、味噌汁。これで1泊2食付7,900円(税込)だった。夕食は一番安い「源平弁当」で1,400円。
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道の駅の一角にある宿泊施設&日帰り入浴施設「倶利伽羅塾」

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倶利伽羅塾の農産物即売&コンビ二売店

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ロビー

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二階の和室10畳

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大浴場「源平の湯」

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夕食は「源平茶屋」で

翌日8月2日、朝食を7時に済ませ、7時20分に宿を出発する。国道159号線に沿って一途に金沢市内へ。芭蕉が俳人仲間、秋の坊が卯辰山蓮昌寺境内に秋日庵を結んでいたという資料にあるので、とりあえず卯辰山蓮昌寺を目指す。9時30分、「吉原温泉ディサービスセンター」の看板に近所の方に温泉入浴ができるかを訪ねたが、関係者以外はだめと判る。10時02分、芭蕉が神谷内で旧道の脇に鳥居と石碑があると記録した場所を探すと、旧道の一本東側に野蛟神社(のみずちじんじゃ?)があり、境内に「うらやまし 浮世の北の 山ざくら」の句碑があった。宝暦12年(1762年)、旧北陸街道にあったものを明治初年に移動したという。脇の石碑とは、延喜式云々の石碑か?
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野蛟神社

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境内の芭蕉句碑「うらやまし 浮世の北の 山ざくら」

10時27分、旧道を行くとで加賀鶴の「やちや酒造造り酒屋」に出会う。天正11年(1583年)神谷内屋(かみやちや)仁右衛門創業で426年の歴史を持つ。建物は200年を超える江戸末期の建築物で、有形文化財指定を受けている。現在の当主神谷昌利氏は14代目になる。当主は留守で女将さんに応対していただいた。「入り口のこの扉は珍しいものですよ」と一緒に写真撮影に応じていただいた。何種類もの醸造酒の試飲をさせていただき、珍しいブランデー梅酒を購入した。お酒の飲み方の案内で「和らぎ水」というネーミングを発想したのは当主だという。「アベリアや ブランデー梅酒 香りたち」
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老舗造り酒屋・加賀鶴の「やちや酒造」

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母屋の囲炉裏と帳場

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見事な天井の柱と梁

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築200年を超える入り口の木造り扉と女将さん

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銘酒の数々を試飲させていただいた

蔵を出て、すぐ左手に「大樋松門」がある。城下町の北の入り口に村との境界に小さな松を一株植えて目印にしたという。
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大樋松門(いったい何代目になるのか?)

前田利家公が天正11年(1583年)6月14日に金沢に入城した。これに因んでこの日に「金沢百万石まつり」が行われている。仕事で何度か金沢に添乗で来たことがあるが、2003年6月14日に行った「金沢百万石まつり」は印象深い。さて、目指す卯辰山蓮昌寺に着いたのは、11時45分頃。本当の寺の名は普香山蓮昌寺だった。句碑らしきものが見当たらないので、住職に尋ねることにした。境内に実教院という末寺があり、蓮昌寺住職の弟子が秋の坊も含め14人ほどそこに住んでいたという。秋の坊の石碑がそこにある」と石が積み上げられている所を指差した。秋山実氏や小林輝治氏の折り畳み式の芭蕉句碑案内書が出ていると教えてくれた。
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卯辰山麓の普香山蓮昌寺

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普香山蓮昌寺本堂

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秋の坊の石碑

その後、昼食目当てに、ひがし茶屋街へ足を向ける。卯辰山山麓の寺院群と茶屋街は、藩政時代の面影を残す魅力的なコースである。京都駅東口発のハイウェイバスの時間、13時30分に間に合いそうも無いのでバスで京都駅へ向い、駅構内の「黒百合」で昼食を済ます。
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ひがし茶屋街(観光客でにぎやか)

ハイウェイバスは、北陸・上信越・関越・圏央道を乗り継ぎ、石川県、富山県、新潟県、長野県、群馬県、埼玉県、東京都の1都6県をまたいで、7時間走り続けた。「夏の空 ハワイに行くほど バスに乗り」「芭蕉みち 靴の匂いに 夏の雲」「加賀発ちて 七国つなぐ 夏の雲」
時代の変化は恐ろしいほどだ。バスの旅7時間や、飛行機1時間ひとっ飛びで7ヶ国を移動してしまう。芭蕉が今句を詠むとしたら、どんな句を詠むだろうか。

第44回 奥の細道を歩く 滑川~放生津八幡~高岡
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第43回 奥の細道を歩く 市振~魚津~滑川 
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第42回奥の細道を歩く 名立~糸魚川~親不知~市振
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第41回奥の細道を歩く 米山~鵜の浜温泉~直江津・高田~名立
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コメント 5

ryon

銘酒の数々  魅惑的な言葉 ですね~♪
by ryon (2009-08-09 11:17) 

hide-m

shinさん +kさん xml_xslさん yukitanさん kohtyanさん Bangさん
ryonさん わかまろさん sanaさん rebeccaさん ご訪問とnice! をありがとうございます。

ryonさん 旧街道沿いには、何十年、数百年と長く経営されている造り醸造元や和菓子製造元が存在しています。歴史的な建築物やそこで製造されている商品を楽しむのも旧街道歩きの魅力です。




by hide-m (2009-08-11 07:56) 

hide-m

CANDyさん あんれにさん mamiさん ChinchikoPapaさん ご訪問とnice! をありがとうございます。





by hide-m (2009-08-12 12:37) 

berry

熊にスズメバチ . . .
下りの旧道なんかホントに出てきそうですね。
by berry (2009-08-18 17:35) 

hide-m

神原智己ラジオパーソナリティさん cheeさん 雪洞さん ほりけんさん berryさん 水郷楽人さん ご訪問とnice! をありがとうございます。

berry さん 温暖化の影響で、生態系が壊れて予想がつかない事態が起こりそうですね。
by hide-m (2009-08-26 17:45) 

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