西日本有数の名湯・湯本温泉入浴と俵山温泉に泊まる! [温泉巡浴]
2007年5月13日~18日島根・山口県温泉巡浴紀行 その2 第3・4日目
6月3日掲載の「美人の湯・島根県美又温泉に泊まる!」に続く温泉巡浴紀行です。
山口県湯本・俵山温泉 5月16日(3日目)
①山口県最古の温泉・湯本温泉「恩湯」
美又温泉を出て、JR浜田駅近くのトヨタレンタカーに車を返し、駅まで送っていただいた。浜田駅から益田駅乗換えで山口県長門市駅行きは、アクアライナーの9時35分発。眺望の良い海岸線を走り、益田駅着10時21分、乗換えで11時03分発。長門駅に着いたのが12時54分。結構時間がかかった。レンタカーを探すがこのあたりには無い。バスで長門湯本温泉行きに乗り、そこから10分ほど歩いて湯本温泉に着いた。「湯本郵便局」で貯金をする。温泉マニアならではの「OO温泉郵便局」での貯金がルールだが、明らかに温泉地名でスタンプに温泉マークが付いているのでこの郵便局も含めることにした。


音信川(おとづれがわ)沿いに歩き、温泉街に着く。居酒屋風の寿司屋「清元」でうどんとアジの握りを一貫いただく。


湯本温泉は山口県で応永34年(1427年)発見の古刹大寧寺の寺湯「札湯(れいとう)」や「恩湯(おんとう)」が起源の最古の湯といわれる。明治末期に湯本温泉組合が恩湯・札湯の大寧寺より借り受けて経営をしてきた。今でも湯本中心部の源泉は大寧寺の所有だ。かつて、札湯は武士や僧侶、恩湯は一般の人が使用していた。恩湯は千代田橋脇にある寺院風の堂々とした建物。

札湯は坂道を上ったところにある。恩湯の番台は留守だったが、料金箱に140円を入れて更衣室に入る。浴室は石造りの浴槽で立つと湯がお腹までくる1.2mくらいの深さ。42度のアルカリ性単純泉は、透明で滑らかな湯だ。効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、打ち身、くじき、消化器病など。地元の人の憩いの場となっている。
②効能豊かな外湯で知られる西日本最大の湯治場・俵山温泉
小雨の中、バス停に戻り、14時44分発俵山温泉行きのバスに乗り込む。15時08分俵山温泉に着く。バス停近くに程近い山口屋別館に行く。広い敷地に本館、別館、旧宅五合庵がある。


山口屋別館と五合庵
裏山は熊野山神社につながる熊野山公園になる。玄関で鷲頭美紀子女将に迎えられ、2階の和室に案内される。

二階の和室
6畳+広縁付でトイレはウォシュレット。外に出て、五合庵を見せていただいた時、「あっ 鹿だ」と女将さん。時々鹿の親子が通るけもの道になっているようだ。「野生の鹿が見られる宿と宣伝したら、どうですか」というと「いつも出るわけではないので・・・」ととても控えめだ。山口屋別館はペットと泊まれる宿でもあり、別館の8畳+8畳の間、五合庵の42畳の離れをペット同伴用に使用している。

離れの「五合庵」


五合庵は先代が寛保3年(1741年)徳川八代将軍吉宗の時代に給庄屋を務めた数寄屋造りの旧家を移築したもの。囲炉裏の間や本間、次の間など42畳もあり、館内のあちこちに民具、錦絵、書などのコレクションが展示されている。
俵山温泉は外湯で知られ、ほとんどの旅館・民宿には、内湯がない。山口屋別館は豊富な湯を運んで男女別の内湯として用意されている。


ほとんどのお客は、昔ながらの源泉掛け流しの外湯「町の湯」「川の湯」、さらに平成16年開湯の「白猿の湯」に出かける。浴衣に下駄履きの姿には、昔懐かしい風情で癒される。俵山温泉の歴史は、延喜16年(916年)に一匹の白い猿が現れ、一人の猟師が後を追い、白猿が川で傷を洗っているのを射止めた。するとその白猿は紫色の色に包まれた雲に乗り、奥山へと向かう薬如来の姿があったという。薬師如来の化身の跡には温かい湯が湧き出ていたという。後にも毛利藩お抱えの湯だったが、温泉宿の経営者に泉源所有権がゆだねられ「合名会社」となって今に残っている。山口屋別館の主人鷲頭信氏は「合名会社」の理事長を務め、その日も会合で広島へ出張していた。
旅館の中心街を通り、木造三階建ての竹翠亭たけやなどを見ながら「町の湯」方面へ行く。
途中右手に「知地(ちち)観音」、階段を上がって「白猿山薬師堂」がある。

「知地(ちち)観音」

「白猿山薬師堂」
ご本尊は鎌倉時代作、43.1センチの金銅薬師如来像だが、今は「温泉資料室」になっている。360円を支払い「町の湯」に入館する。


入り口の飲泉所

入り口に飲泉所画あり、源泉持ち帰りができ20リットル1500円、1リットル200円。「町の湯」のタイル貼りの浴室には、1号源泉と2号源泉の浴槽がある。41.2度の1号源泉は100%掛け流しで毎日換水している。40度の2号源泉は、一部循環掛け流しで毎日毎日換水している。やはり1号源泉の方に人気がある。無色透明で微硫黄臭がある。Ph9.8のアルカリ性単純泉で5.25キュリーのラドンを含んでいる。翌日「白猿の湯」へ出かけた。

「白猿の湯」
7時からの営業で15分ほど待った。敷地内に足湯のような「ペットの湯」があり、犬・猫用のグルーミングルームが2棟ある。小型犬が1,575円、大型犬が2,100円。「白猿の湯(正の湯)」の泉質は「町の湯」とほとんど変わらない。1号源泉は温く、微小ジェット噴射のある2号源泉は熱かった。


露天風呂もあるが、湧出口付近に大きな泡が発生していたので、循環で塩素殺菌をしているようだ。職員に「白猿の湯」ができて、宿泊客が増えましたか?」の問いに「初年度だけ入浴客は増えたが、宿泊客は増えていない」との答えだった。入浴料は500円。温泉の効能は、「川の湯」がアトピーなどの皮膚病や火傷、「町の湯」が神経痛、リウマチ、「正の湯」が胃腸病に効くと昔から効能が分かれていた。一般的には他にむち打ち症、疲労回復など。

山口屋別館に戻り、部屋で夕食をいただいた。

海老入り卵豆腐、もずく酢、筍煮、ブリ・鯛・イカ・うにのお造り、鮎の塩焼き、
大鯛のカマ、
カレイのから揚げ、お吸い物に筍ご飯、

デザートはメロン。大きな鯛のカマには驚いた。日本海が近いだけに魚は鮮度がよくうまい!
翌日、つつじの名所といわれる裏の熊野山公園を散策した。熊野神社からのぼり、昨日見た鹿の親子に会えるかもとの淡い期待を持ちながら、頂上を目指す。頂上には展望台があり、山に囲まれた温泉街が見渡せるが眼前の樹木が伸びて視界を邪魔している。島根の山奥によくぞこのような35軒もの旅館や自炊宿を持つ温泉が残されたものだ。
帰り際に女将さんに「温泉や山口屋別館の歴史を知りたい」というと板倉幸博著「俵山温泉の燭光」を持たせてくれた。すぐそばのバス停に行く前に土産屋の「福田泉月堂」に入店し、その本を手にしたまま名産の「白猿最中」を購入していると、店内の椅子に座っていた老人が「それは私が書いたものだ」とボソッと言った。「えっお父さんが書いたんですか。お会いした記念に署名をしていただきたい」と頼むと道路をはさんだ自宅に行き大きな本をかかえてきた。「こちらのほうが読みやすいはずだ。これをあげるから読みなさい」という。この大著「峠を越えた人々 ふるさと俵山を拓く」は、古代の歴史や地質から紐解く壮大な著書で、大変な研究者にお会いしたものだ。バスで湯本温泉方面へ行くまで読ませていただいた。
俵山温泉山口屋別館http://www.a-spa.co.jp/pet/yado-pet-yamagutiya.html
旅と温泉の相談室http://www.a-spa.co.jp/
全国お勧めの温泉宿http://www.a-spa.co.jp/onsen-yado-index.htm
療養・湯治の温泉宿http://www.a-spa.co.jp/totugeki/index.html
秘湯・異色の温泉宿http://www.a-spa.co.jp/hitou/
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